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患者数が多い性感染症「淋菌」とはどんな症状が出る病気なのか?

男性を診る医者

厚生労働省が毎年発表している性感染症の報告数によると、淋菌感染症は性器ヘルペスに次いで国内で3番目に多い性病であることが分かります。2019年度中に日本国内で報告された淋菌感染症の患者数は、8千人を超えています。

淋菌感染症(淋病)は日本国内でもポピュラーな性感染症のひとつで、病原菌は人間の粘膜の細胞に感染して増殖をするという性質があります。病原菌は性器・尿道や咽頭(のど)の粘膜に感染して、炎症を起こします。

淋病は女性よりも男性の方が強い自覚症状が出るという特徴があり、性行為などで男性が感染すると最初に尿道炎を発症します。男性が淋菌に感染すると、数日~1週間ほどの潜伏期間を経た後に尿道炎を発症します。尿道炎を起こすと強い排尿痛を感じたり、尿道口から大量の膿が排出されます。病原体は尿道から精管を通って精巣に向かい、精巣上体炎を発症して睾丸に強い圧痛の症状を発症します。すぐに治療をしなければ精子の通り道が塞がってしまい、男性不妊になる恐れがあります。

女性も感染すると生殖器などで炎症を起こしますが、男性の場合と比べて自覚症状が出にくいという特徴があります。最初に膣の奥の方にある子宮口の部分で子宮頸管炎を起こし、おりものが増える程度で強い痛みを感じることはありません。治療をしないで放置すると病原菌が子宮の内部や卵管に広がって炎症を起こし、骨盤内炎症性疾患を発症します。この段階でも痛みなどの自覚症状が出るのは約半数で、病気に気づかない人も少なくありません。女性が淋菌に感染して骨盤内炎症性疾患を起超して発見が遅れると、淋病が完治した後も不妊症になる危険性があります。

妊娠中の女性が淋菌に感染すると、分娩時に新生児に伝染する場合があります。病原菌が新生児に感染すると、新生児結膜炎の症状を起こします。

淋菌は性器以外にも、喉(のど)の粘膜にも感染することが知られています。喉の粘膜に感染してもすぐに症状が出ないケースが多いですが、免疫力が弱くなった時に咽頭炎を発症する恐れがあります。免疫力が回復すれば咽頭炎の症状は治まりますが、病原菌が感染している限りは何度も炎症を繰り返す恐れがあります。

淋菌感染症は男女ともに炎症を起こしますが、自覚症状に大きな違いがあるので同じ病気に罹っていることに気づかないケースが少なくありません。特に女性は病気がかなり進行するまで症状が出ない場合が多いので、不妊症になってしまう危険性があります。