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尖圭コンジローマを完治させることはできるのか?治療のプロセスと手法

尖圭コンジローマは性行為によって人から人にうつる性感染症のひとつで、性交などを通してヒトパピローマウイルス(HPV)に感染すると発症します。ウイルスに感染すると数週間~数ヶ月の潜伏期間を経た後に、陰部や肛門の周辺の皮膚に小さなイボが大量にできます。外側だけでなく、性器の内側にもイボができる場合があります。イボができても強い痛みを感じることはないので、皮膚の凹凸や違和感で病気に気づくケースが多いです。

尖圭コンジローマを放置すると陰部や肛門の周辺がイボで覆われて、性交の際に支障をきたしたり、パートナーにうつしてしまうので治療をおこなう必要があります。尖圭コンジローマの治療方法ですが、メスやレーザーメスで患部を切除したり焼くなどの方法で物理的に病変部を除去する外科的治療が用いられてきました。この方法だと短期間でイボを消失させることができますが、治療後も周辺の皮膚はウイルスに感染した状態が続くので再発する恐れがあります。実際に外科的治療を受けた後に、何度も再発を繰り返すケースは少なくありません。

現在は尖圭コンジローマの治療方法として外科的治療ではなく、薬を用いて患部周辺の皮膚の免疫力を高める免疫賦活療法がおこなわれるようになりました。免疫賦活療法というのは、一定期間にわたり患部や周辺に免疫力を高める成分が配合されたクリーム塗ってウイルスに対する抵抗力を高める方法です。体の免疫細胞がウイルスを攻撃することで、イボ(良性腫瘍)を消失させることができます。この方法だとイボが消失するまでに長い時間がかかりますが、再発を防ぐことができるので完治に近い状態になります。

薬を用いて尖圭コンジローマを治療する方法ですが、1日おきに就寝前にベセルナクリームを患部や周辺に塗布します。起床後に石鹸でベセルナクリームを完全に洗い落とし、その日の就寝前はクリームを塗りません。治療期間(約3ヶ月)は、1日おきに就寝時のみベセルナクリームを塗布して起床後に洗い落とす生活を続けることになります。免疫賦活療法では、1日おきに休薬日を設けることがポイントです。治療を開始して4~5週間ほどでイボが消失しますが、再発を防ぐために一定期間は治療を続ける必要があります。

ベセルナクリームを使用する免疫賦活療法は、治療後に再発する可能性が低いというメリットがあります。ただし治療後も病原体のウイルスは残存し続けるので、細菌感染症の治療後のように完全に病原体を死滅させることは不可能です。ウイルスが残っていると再発する可能性はゼロではないため、治療後にイボが消失しても完治と呼ぶことはできません。それでも外科的治療と比べると再発率が非常に低いので、免疫賦活療法によって完治に近い状態にさせることができます。